社長室は工場の2階の事務所の奥にありました。
私は社長室に向かう間、とても緊張していて、心臓がドキドキしていました。
ただ、工場を真剣に見てきた結果、私が強く感じたことは、
「僕はここでやっていける!」ということでした。
それは、自信過剰でも、見栄でもなく、素直に心から思える感情でした。
たぶん、今までの家具工場での経験が自然と私にそう思わせたのだと思います。
そして再び社長に会い、今までの思いを一生懸命に話しました。
自分が今までどんな仕事をしてきたのか、どうして自分がこの工場に惹かれたのか、なぜこの工場で働きたいのか、、、。
自分はこの工場で即戦力になれるということを強くアピールしました。
社長の表情はいたって冷静でした。
私が話を終わるのを黙って聞き、それからゆっくりと話し始めました。
「あなたの言うことはわかりました。
ただメールでも答えたようにこの会社には働くことを希望している人がたくさんいます。
それはデンマーク人だけでなくほかの国からもです。
そのためにウェイティングリストというものがあって、かなりの人数になります。
特に外国人が労働ビザを得ることは今、非常に難しい。
ですからあなたの要望に応える事は出来ません。」
このような内容を、優しい口調ですがはっきりといわれたように思います。
それでも私はあきらめきれず、では何年待てば工場に入れるのかなどと食い下がりました。
当時の私は、デンマークの労働事情など少しもわかっていませんでした。
ですから、いかに私が食い下がっても無理なことは無理と社長が言うことは、今思えばもっともなことでした。
結局、PPで働くことは適いませんでした。
ホテルからの景色
